こんにちは。
世界の温泉街に「かえる」を置く会、調査員の蛙旅団です。
今回は、佐賀県の古湯温泉にやって来ました。
どんなかえるに会えるかな?
旅行記風に
佐賀駅から古湯温泉行きのバスに乗る。
2月の車内は心地よく暖房が利いていて、思わず熟睡してしまった。
おそよ45分で終点の古湯温泉に到着。
下車したものの、杉並木に囲まれた山間に、ぽつんと取り残された感覚にみまわれる。
下車するバス停を間違ったか?
と不安になりつつ、バス停から、坂道を下ってゆくと、嘉瀬川沿いに旅館が姿を現し、やっと温泉街らしい雰囲気を目にすることができる。
古湯温泉は、佐賀駅の北方20km、標高200mの山峡にあって、1966年、「古湯・熊の川温泉郷」として、国民保養温泉地の指定を受けている。
泉歴も古く、開湯伝説によれば、2200年前に秦の始皇帝の命令で、日本に不老長寿の薬を探しに来た徐福が発見したとされる。
今でも多くの自然が残り、温泉街を流れる嘉瀬川にはホタルやカジカガエルが生息している。
川沿いには、遊歩道が整備されており、散策にはもってこいだ。
あちこちにカエルも描かれている。
この清流をアピールしようと、清流のシンボル「カジカガエル」が樽風呂に浸かっているモニュメントや水車小屋のある「かじかの里公園」が整備された。
樽風呂いっぱいの湯船(ほんとは水)に浸かったカエルの口には、数枚のコインが投げ込まれている。
両足を投げ出し、あまりに奔放な姿に、思わずこちらも笑みがこぼれる。
このカエルにちなんだ温泉土産でもあればいいのだが、取材当時は見つけられなかった。
次回はホタルやカジカガエルの見られる夏に来ようと思った。
カエルタイムズ2012年号 (2012/1/13発行) 掲載
「日本全国「かえる名所」を訪ねて」
斎藤茂吉
古湯温泉は、斎藤茂吉が療養していた場所だと、2冊目の詩集『あらたま』の編集手記に記されています。
大正9年6月1日に血を吐いた茂吉は、その後、入退院を繰り返し、9月11日に
「佐賀県の南山村古湯温泉に来た。ここへ来て十日目程から痰がだんだん減って行って二十三日から血の色が附かなくなった。その二十三日にはじめて「あらたま」の草稿の入っている風呂敷をあけて、心しづかに歌を整理して行った。」
また、古湯温泉での湯治中に詠んだ句は三冊目の詩集『つゆじも』に収められてます。
すすめお宿
古湯温泉に素敵なお宿ができました。
「泊まれる図書館 暁/佐賀・古湯温泉」
(取材日:2002/2/11)
参考文献
地図と情報
かじかの里公園
住所 :佐賀県佐賀郡富士町大字古湯
電話 :-
休業日:-
関連URL:かじかの里公園 - 佐賀市観光協会